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http://ibukuro.blogspot.com/2010/07/blog-post_12.html
■ 口コミ分析で結論が逆に、1次情報も疑いを持って見よう
一つ前の週末にごく一部の人達の中で盛り上がった話題に、ホットリンクのリリース訂正事件というのがありました。きっかけを作った張本人の私も思いもかけない展開になってしまったので、その件をお話したいと思います。
きっかけはブログでリリース記事を取り上げたことから始まります。取り上げたリリース記事では、口コミに繋がらないCMがあるというデータを基にして、「CMは意味がない」という意味のタイトルになっていました。実際のタイトル全文は「第3のビール、女性に対するCM露出は意味がない?!」です。
しかしそれは「効果が無い、無駄だ」というニュアンスが強く感じられるので、表現としてはまずいのではないかという話を書いただけでした。
その後Twitterでお決まりのように、グラフの回帰線や外れ値が影響与えるだの、どうのという話をSurveyMLの萩原さんと話を交わしていたところ、そもそも議論の土台となるプロット図に間違いがあることを萩原さんが発見したのです。正しいものに直すと、結論も間違っていることが明らかになってしまった、リリースも訂正されたというのが、最終顛末です。
私のブログは基本的に2次情報は掲載しません。メディアで紹介されていたら必ずソースを確認して、そこに掲載されていることだけをみるようにします。メディアは自分の都合のいいものだけをピックアップする習性が強いからです。ですからメディアへのリーク記事や独自取材記事のパクリはやりません。
一方今回の反省としては、1次情報も疑ってかかれということです。残念なことですが、リリースのチェックを何重にもやっている企業は大企業くらいかもしれません。そういうチェックをやっていれば今回のように数表とグラフがマッチしていないなどというのは殆どないでしょう。
今回不幸中の幸いだった(ホットリンクさんはそうではないと思いますが)のは、グラフの元になるデータも数表で公開されていた事です。これがなければ、外部の人間がグラフの数値の間違いを発見することはできませんでした。間違った結論だけが一人歩きし続けたことでしょう。
グラフはみやすいので必須としても、数表と併記することの大事さを改めて感じました。やはり情報量は多いに越したことがないのですね。
ちなみにきっかけとなったブログと詳しい顛末はこちらをご覧ください。http://ibukuro.blogspot.com/2010/10/3cm.html
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