2010/12/05

ユーザでセグメントを切れる解析ツール [週刊IFWA 2010/8/30]

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■ ユーザでセグメントを切れる解析ツール

8月24日にComfyAnalyticsの新機能をリリースのアナウンスがありました。http://www.dreamnews.jp/?action_press=1&pid=0000020851
新しく「クリックマップレポート」と「ユーザ識別子フィルタ」の二つがリリースされたそうです。

今回注目したいのは後者です。Google Analyticsでは「ユーザ定義」として知られている機能に準じたものだと思います。例えば過去に資料請求を行ったユーザに印を付け、そのユーザだけに絞り込んだ行動を追跡できるというものです。

ComfyAnalyticsでは従来、流入元、検索語、入口ページ、通過ページ、新規・再訪、滞在時間、コンバージョン有無などの各種セッション条件を指定して絞り込むことが可能でした。

今回の新機能では、初回訪問は検索エンジンから訪問し、購入セッションでは参照元なしのユーザを絞り込むといった、セッションを跨ぐ絞り込みが容易にできるのではないかと思います。

計測前に集計のことを考慮して計測タグの設計をしっかり行う必要のあるツールの代表としてSiteCatalystがあると思いますが、ComfyAnalyticsの設計思想は真逆のようです。

なるべく計測タグはカスタマイズしない標準のものを使ってもらいながら、ローデータから集計して、高度なセグメントで自由度の高い絞り込みができるようにという設計(集計)思想です。しかもそれがオプションでなく標準価格に含まれている機能として取り込む訳です。

ComfyAnalyticsの今回の新機能の構成要件はわかりませんが、このツールのこうした設計思想から考えると、計測タグのカスタマイズは不要なのかもしれません。もしそうなら素晴らしいと思います。

私も事前にしっかり準備してからアクセス解析を始めましょうなどとよく言いますが、現実には問題意識や課題などは次から次へと変わってくるものです。しかし予め想定しておいたカスタマイズを施してないとクロス集計や絞り込みなどができないのでは、途方に暮れてしまいます。

ComfyAnalyticsは、データを見ることで想定していなかった問題が次々に出てくるのが自然で、それに対処できるようなツールであるべきという思想があるように思われます。

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