2010/11/23

アクセス解析ツールも知らないうちに仕様なんて変わってるよ [週刊IFWA 2010/8/2]

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http://ibukuro.blogspot.com/2010/07/blog-post_12.html

■アクセス解析ツールも知らないうちに仕様が変わってるかも
http://ibukuro.blogspot.com/2010/08/yahoocomscore.html
きっかけとなった事件は、上記ブログで確認して頂きたいのですだが、ブログでは力尽きたので、アクセス解析での話はメルマガで続けてみます。

事の始まりは、Yahoo!がBusinessWireを通じて、comScore(インターネット視聴率データ提供会社)が一旦リリースしたデータが間違えで、計算し直したことを発表したのです。これに対して、すぐにcomScoreも自身のブログでコメントをあげました。双方ともに非常に紳士的なコメントとなっているのですが、事情をかなり際どく深読みしてみたという内容です。

で、アクセス解析とは遠い話のように思う方もいるかもしれませんが、アクセス解析データだって同じことだと思う訳です。様々なトラブルなどは幾らでも生じると思っていないといけないのです。そういうことが起きた場合に、どう対処すべきかは人ごとではないはずです。

例えばデータ収集から集計、結果表示までに生じるトラブルはプロセスに分ければおおよそ下記に分類できます。

A.データの収集時におけるトラブル
B.データ集計時の設定誤り
C.データ集計仕様の間違い
D.データ集計時におけるエラー

ツールに依存する問題もありますが、利用者に依存する問題もあります。どちらが悪いということではなく、何が起こりえるのか、どう対処すべきなのかというのを予め知っておくのがよいでしょう。少ない経験から考えると、こういったトラブルは何かしら皆さんも少なからず経験しているのではないかと想像します。

AはJavaScriptビーコン型のツールでタグの実装が間違っていて、データが収集できてないケース。

Bは全てのツールにおける初期設定の間違い(ユーザーが行う場合もあれば、ユーザーの意向をベンダーなどが設定する場合もあるでしょう)や、カスタムの計測タグの実装間違いなどで起こりえます。

Cはそもそも指標の定義から想定される計算式から想像できない計算が行われていたなんてケースで、これがタイトルにも書いたものです。滅多にはありませんが、著明なツールでも、ひっそりと仕様変更をしていることだってあるかもしれません。

ベンダーにいた経験からこのようなことの可能性は否定しません。実際に状況証拠から幾つかのツールで仕様変更があったと想像できる出来ごとがあります。多くのツールの開発元は米国であり、日本法人や代理店としてはどうにもできないというもどかしさもあります。

またバグフィックス情報などに書いてあったかもしれませんが、ユーザとしてはそういった情報はまず気が付きませんし、なによりもどう影響があるのかもピンとこないでしょう。

ツールベンダーの成り立ちは基本的にはシステム屋さんですから、マーケティングの事を殆ど理解していないプログラマーが骨格を作って、それを引きずっている可能性が高いのではないかと想像しています。

特殊な集計仕様のケースで有名なのが、Google Analyticsの参照元や滞在時間などはご存知の方も多いでしょう。これは仕様の間違いとまではいいませんが、多くの方が誤解したまま使っていることは容易に想像できます。詳細は下記をご覧ください。

http://ibukuro.blogspot.com/2009/11/31.html
http://ibukuro.blogspot.com/2009/11/33.html

このような状況の中でも本質を見失わずにデータを有効活用したいと思います。変だなと思ったことは、とにかく聞いてみて、納得の得られる答えをきちんと頂くということが重要でしょう。でもユーザーとしては、ほんの少し数字が違うなどということに拘泥して時間を無駄にすることのないように心したいものです。

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