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■サイトのリニューアルで悪化してもよい指標?!
7月13日にアクセス解析イニシアチブ主催の「KPI徹底解説セミナー」が行われました。その中でIMJの石井陽子さんがお話した事の一つに、サイトのリニューアルで「全ての数値が良くなる訳ではありません」というのがありました。
補足すると、リニューアルは成功したけど、悪くなる数字もあるという意味です。「直帰率」「1訪問あたりのPV」「1コンバージョンあたりの売上」という例を挙げて説明してくれました。
従来は知っている人しかサイトに訪問せず、トップページから下の階層へ見ていく人が多かったが、リニューアルを行った後はSEO効果で新規訪問者が直接下の階層へ流入するようになったというECサイトの例です。
新規訪問者の増加や売上増という目的は成功でした。しかしサイト全体の直帰率などの指標は、新規訪問者の割合増加によって、悪化したように見えるということです。
こういった現象を見誤らないために、私は「セグメント」を切って数字は評価しましょうという一つの原則に収束させます。上記の例でいえば、サイト全体の「直帰率」などの指標をそのまま評価指標として使うのは危険なので、上記の例でいえば、新規訪問者とリピート訪問者に最初から分けて比較することにしておくということです。
石井さんは、こういう事態を事前に予測しておきましょうとおっしゃっていましたが、言いたいことは同じでしょう。事前に適切な分析軸(セグメント)を考えておくという仮説検証型の見方が重要ということになります。
もちろん現場なら、普段から必要に応じた細かい分析軸でデータをみておくべきでしょう。サイト全体レベルの指標は役員クラス向けレポートにしか使えないと考えておくべきです。
話は変わりますが、前回の巻頭コラムでeマーケティング協会の認定資格試験についてお話しましたが、MarkeZineで「アクセス解析実力診断テスト」というものを公開しましたので、宜しかったらどうぞチャレンジしてみて下さい。http://markezine.jp/diag/webanalytics
初級編、中級編、応用編それぞれに10問あり、簡単な解説も最後にまとめてあります。所詮4択程度の試験が受かったからと言ってコンサルティングできるなどというのはあり得ません。
知っている(知識としてある)のと、自分で出来る(身に付いている)のと、指導(コンサルティング)できるのはレベルが違います。ITSS(ITスキル標準)と同じです。社内教育、人材派遣や人材募集、人事評価など目的に応じた使い方をしないと役に立たないものです。あくまで一つの評価軸です。
試験に受かることが目的になってしまいがちですが、自分で出来るようになりたいのであれば、私は少なくともそのための系統だったトレーニングを行うのが、結局一番早いと考えています。時間も金もないのが普通ですから、まずはOJTでもいいでしょう。自分でやってみる、部下にやらせてみること。
失敗するなどの経験をしないことには、身に付きません。でも、こういうテストは一つの目安にはなりますので、うまく活用して頂きたいとも思います。
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