2010/12/13

デジハリ大学院で行っているアクセス解析実践の授業とは [週刊IFWA 2010/9/27]

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■ デジハリ大学院のアクセス解析実践の授業とは
先週の金曜日から、またデジタルハリウッド大学院でアクセス解析の授業が始まりました。デジタルハリウッドというと、クリエイター系の専門学校のイメージが強いかもしれませんが、今や文部省認可の大学、大学院まである総合的な教育機関になっています。

2007年からこの大学院でアクセス解析の授業を担当していますが、今期で4期目を迎えます。大学院といっても、大学生の延長という方は皆無で、起業をしようとしている社会人が夜に来て、何か事業を立ち上げるためにネットワークを作るために来ているという感じです。

セミナーなどがそうですけど、一方的に聞いた話は身に付きませんので、私の授業は基礎知識の伝授は半分以下に抑え、残りは小さい演習で多くのことを考えてもらうような構成にしてあります。考え、書き、話をしてもらうというアウトプットをしてもらうことで定着を図るという手法です。

しかし限られた時間では、一つのサイトを素材にしてデータから総合的に改善提案を導き出すといったことまではできないので、小さな演習を細切れに出すのが精々のところです。なるべく広範囲(偏らずに)の指標やデータに具体的に触れて欲しいという意図もあります。

一方で、一つのサイトを徹底的に深掘りするものとして、アクセス解析イニシアチブでは、ワークショップという形で行いますが、これはこれで最低半日から1日くらいの時間を掛けないと、意義のある議論や結論、仮説を導き出すのは困難です。しかも参加者が中級以上で同じレベルでないと進行も難しいのです。またECサイトを運営している方は、素材がECサイトと違うものでは役に立たないというミスマッチも起きてしまう可能性があるところも難点です。

参加者のレベルの話をすると、最近はセミナー、大学院の授業、ワークショップなどの参加者のレベルの分布が広がってきていることを感じます。昔は中級者以上と書いておけば、それ相応の経験を持った方だけが参加してくれたのですが、Google Analyticsの普及などでアクセス解析が身近になっただけあって、ほんの少し触ったことのある方も、結構チャレンジして来る事が多くなっていると感じます。

参加者のレベルが広がった時にどう対処したらよいのかは、簡単ではありませんが、内容のバリエーションを広げて臨機応変に対応することが必要になってきていると痛感しています。先日も初心者向けの1日の1社向け講座を行ったのですが、初心者には少々難しかったようです。内容を減らして、もっとかみ砕いて丁寧に時間を掛けて説明や演習を行えばよかったようです。

話を元に戻しますが、この大学院で教えている延べ12時間の授業内容とほぼ同じものを一般公開で行なっているのが、アクセス解析イニシアチブのアクセス解析ゼミナールです。ご興味があれば、こちらをご覧ください。
http://a2i.jp/activity/training

この少人数の12時間のアクセス解析の授業は、もう延べで軽く100人以上の方が受けられており、評価も5点満点で4.5前後はあるので高評価を頂いてますが、まだまだ改良を続けております。

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