2010/12/13

企業サイトの価値をどう評価するのか [週刊IFWA 2010/9/20]

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■ 企業サイトの価値をどう評価するのか
先週とある会合に呼ばれ、ウェブサイトの評価指標について話をする機会がありました。企業サイトに対して適切な予算をもらうためのよい指標はないだろうかというのが、その集まりの問題意識です。

私の方からは、大きく3つの話をしました。テレビの評価指標としての視聴率、それを踏まえてウェブサイトではどう考えたらいいかの例、指標の落とし穴の3つです。

で、最も強調した重要なポイントは一つ、指標やモデルを流通させたいなら、"シンプルである"こと。テレビ・メディアの評価であれば、視聴率からはじき出される、リーチ(Reach:到達率)やGRP(Gross Rating Point:延べ視聴率)、GRPとCM認知率の相関曲線くらいしか表面的には流通していません。

様々なデータが取得できるウェブサイトだからといって、何か難しい数字をこねくり出す必要はありません。"ユニーク・ユーザ"さえも多くの経営者には理解できないでしょう。だからシンプルが重要な訳です。

サイトの目的によって、様々な指標の意味合いや重要度が変化するため、全てを説明できる正解などはないのですが、一例として紹介したのは、総接触時間(訪問回数×1訪問当たり平均滞在時間)という評価軸です。

これならメディア間のコスト比較もやりやすいでしょう。もちろん各メディアの質や特性に違いがあるので、一つの評価軸でしかありません。しかし経営者を説得するには、このくらい分かりやすい評価軸でないといけません。

しかし、サイトの滞在時間など正確に測れるはずもありません。多くの方がその辺りの認識は低いと予想されたので、3つめに"指標には落とし穴がある"という話をして、釘を刺しておいたのです。

そうは言っても、直感的にはこの評価軸から、ウェブサイトに対する投資がまだまだだという現場に都合のいい数字が作れるような気がしたのですが、さてどうなることやら。その会合で出てくる議論の結論を見守りたいと思います。なにしろ事業会社の錚々たるメンバーの集まりでしたので。

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