2010/3/18にこちらで既に投稿済みだが、いよいよデジタルフォレストのリリースで正式に公開された。
http://ibukuro.blogspot.com/2010/03/waaweb-analytics-association.html(本ブログでの第1報)
http://www.digitalforest.co.jp/archives/2010/05/webweb_analytics_associationwa.html(リリース)
リリースによれば、「2010年5月5日には米国で世界共通のWebアナリスト認定試験(WAA Certified Web AnalystTM)の第一回目が実施されました。手嶋は2007年より認定試験の委員会に参画し、この試験の体系化や範囲決定、問題作成などを手がけており、日本でも実施するための準備を進めています。」とのことだ。
また「デジタルフォレストでは、WAAの認定試験を題材としたWebアナリスト養成事業の準備を進めています。」ということで、教育事業にも参入するらしい。ツールベンダー自身が第3者的にアクセス解析の教育・育成を行うべきかどうか、議論があろう。当然自社のコンサルタントはテストの情報入手が可能と考えるのが普通(手嶋さんがWAA認定試験委員のため)なので、デジフォレさん自身に対して認定試験合格者は出せないのではないか、とかとか。
私は全くツールに依存しないアクセス解析の教育プログラム(12時間から18時間のプログラム)で既に100人以上を教えているが、様々なツールの設定画面や表示画面例を見せている。デジフォレさんでやるとなると、まあ全てVisionalistがベースとなるような気もするので、その辺りのベンダーとしてのスタンスはなかなか微妙な舵取りが予想される。ただデジフォレさんはVisionalistを使ってないところにも、様々なコンサルを行っているので、現場のニーズにあうものを提供していけば問題はないだろう。
ただし、教育事業は正直金にはならない。特に今不況期の3K(広告費、交通費、教育費)の出費を絞られている時期なので、ここへの投資は中期的な覚悟が必要かも。またプレゼンがうまければ成り立つセミナーでも、相手に具体的な改善提案をするコンサルでもなく、相手が独り立ちするのを助ける「教育」のプロになるのは、簡単ではない。当然教えるものの知識や経験がある上に、「教える」という別次元の技術と経験も必要なので、先生の育成には時間がかかるが、やってくれるだろう。そしてこの市場を拡大して頂けることを大いに期待している。
関連リンク:
WAAのアクセス解析資格認定試験、長文問題に答えて下さい(ブログへの投稿でどうぞ)
WAAのアクセス解析資格認定試験、第5問に答えて下さい(ブログへの投稿でどうぞ)
WAAのアクセス解析資格認定試験、第4問に答えて下さい(ブログへの投稿でどうぞ)
WAAのアクセス解析資格認定試験、第3問に答えて下さい(ブログへの投稿でどうぞ)
WAAのアクセス解析資格認定試験、第2問に答えて下さい(ブログへの投稿でどうぞ)
WAAのアクセス解析資格認定試験、第1問に答えて下さい(ブログへの投稿でどうぞ)
2 件のコメント:
WAA Examination Committeeメンバーの手嶋です。WAAのアナリスト試験についてコメントいただきありがとうございます。書いていただいたことで誤解を生んではいけないので少しだけ補足させてくだい。
デジタルフォレストはWAAのコーポレートメンバーなので企業としての関係が全く無いとは言いませんが、コミッティの活動は全く個人のボランティアとして行っており、全てのコミッティーメンバーはWAAと機密保持契約を交わして情報をコミッティ外に出さないことを約束しています。また、問題の作成過程においても1回目のドラフトを誰かが書くと別の人による修正や変更が加えられ、さらに最終工程でまた変更や回答の差し替えなどが行われ、多くのメンバーは部分的にしか問題や回答に接することができないように運営されています。私や他のメンバーも今月使用された問題が何であるかを知りませんし、仮に見れたとしてもかなりの確率で答えを知らない問題になっています。2重、3重で手が入るのでひとつの問題が出来上がるまでに非常に時間がかかっており、私もこの3年間で数百時間使いました。ということで同じ会社の社員であっても情報が渡ることはありませんし、コミッティメンバーですら自分たちが受けても合格しないかもねと、半分冗談ではありますが話をしているぐらいです。(とはいえ、コミッティメンバーは受験不可ということになっています)
それから、WAAの試験は特定のアクセス解析ツールに依存する内容ではありません。何らかのツールを使った経験は必要ですが、解析をいかにビジネスに生かすかということに重点を置き、実務に近い状況において論理的に考えることができるかを試す傾向になっているので、複雑な数値計算などもできるだけ抑えた内容になっているはずです。短時間で行う選択式の試験ですので限度はありますが、企業が採用するときに参考にできる実践的な資格にしたいというのがWAAの意向ですので、教科書を1冊読んだり講義を1回受けただけで合格するようには作らないスタンスをとっています。以前、衣袋さんは「各自が自分の力で考えられるような教育をするようにしている」とおっしゃっていましたが、その点はWAAも同じような考えだと思います。
最後に教育事業の難しさについて書かれていることはそのとおりだと思います。私はWebアナリストやWebの担当者の方は企業にとって非常に重要なポジションでありながら、日本においては企業経営者の方々がまだ十分にそれを理解されていないように感じています。Webの担当のかたが定量的データを自社の経営、マーケティングに生かすために役立つ情報をもっとたくさん入手でき、一方で経営層の方々にはその重要性をもっと理解してもらえるような機会をつくっていけたらと思います。
手嶋様、詳しくフォローして頂きありがとうございました。大変よく理解できました。
「コミッティメンバーは受験不可ということになっています」ということで、私の常識(「デジフォレさん自身に対して認定試験合格者は出せないのではないか」との記述)が正しかったようですが、WAAもきちんとした団体であることを改めて認識致しました。
Webアナリスト養成事業の方も、順調に進まれることを願っております。
コメントを投稿