2011/09/26

「アトリビューション」は今年の流行語だけど簡単ではなさそう  [週刊IFWA 2011/8/29]

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■ 「アトリビューション」は今年の流行語だけど簡単ではなさそう


今年に入って、Google アナリティクスの動きが激しいですが、新しいGoogleアナリティクス(バージョン5)のレポート画面で、マルチチャネルという機能が全員に正式リリースされたというアナウンスがありました。
http://analytics.blogspot.com/2011/08/introducing-multi-channel-funnels.html


この機能は、「コンバージョン」したセッションの過去の接触媒体(参照元)の履歴を表示するというものです。そのため少なくとも「目標設定」をしておくことが必要ですし、「目標の値」あるいは「eコマースでの収益」などの値を入れておかないと価値換算での評価ができません。


広告効果測定系のツールの一部で既に提供している機能だと思いますが、コンバージョンまでのプロセスを「広告サイトA→検索連動型広告B→」といった具合で、ファーストタッチ(最初の広告接触)からラストタッチ(コンバージョンに至った広告)まで表示するようなレポートが代表的なアウトプットになります。


表示の粒度は「有料広告」「オーガニック検索」「ソーシャル ネットワーク」「参照元サイト」「メール」「フィード」「ノーリファラー」などとなっているのですが、自分のサイトの事情によってこの分類や、その内容をカスタマイズすることができます。さらに検索のところは、キーワード別に表示をすることまで可能です。


私なんぞは、こういうデータを見るだけでも可能性を感じてワクワクする訳ですが、一方でこれらを具体的にどう活かしていくのか、簡単に活かせるものなのだろうかというところが最も大事です。


そんな状況なので最近はアクセス解析イニシアチブのクローズの分科会でアトリビューション(貢献)分析について隔週くらいで勉強会を行っています。アクセス解析の経路分析ほどではないにしても、接触履歴は発散するし、単に結果を眺めるだけでは何も生み出しません。


やはり仮説検証型というか、まず問題意識を持ってそれからデータを見るというのが、最低限の活用条件になるのではないかと再確認した次第です。そのためには自分のサイトの事情に応じた初期設定やカテゴリー分け、広告の手動パラメータの付与といったがカスタマイズが重要で、はじめが肝心というのは同じです。


その上で、本当に施策に落とし込めるような発見ができるのかというのは簡単ではなさそうだというのが、正直なところです。

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