2011/06/20

統計検定試験が2011年11月からスタートする [週刊IFWA 2011/5/9]

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■ 日本統計学会公式認定の統計検定試験が2011年11月からスタートする

日本統計学会は統計検定センターを設立し、統計検定実施に向けての活動を本格化させたようです。統計検定試験は2011年11月20日に東京・大阪などで実施することになったようです。
http://www.toukei-kentei.jp/index.html

レベルの低い方から、4級、3級、2級、1級、統計調査士、専門統計調査士、国際資格という7段階を用意しています。4級は中学校レベルで資料の活用の領域、3級は高校のデータ分析の領域、2級は統計学基礎などという各検定の水準と対象者の概要が下記で掲載されています。http://www.toukei-kentei.jp/about/index.html

4級から2級までは、検定内容と試験形式、問題例などが紹介されていますが、それより上のカテゴリーではまだ何も書いてません。
http://www.toukei-kentei.jp/example2.pdf (2級の問題例)

創設の経緯の中で「統計教育への要望と期待が高まる中で、教育の成果を評価する仕組みが重要になります。...まず大学における統計 教育の成果を測り、統計分野の学士力を質的に保証する手段として構想しました。」ということのようです。

いろいろな意見があるでしょうが、私は義務教育でそもそもきちんと基礎学力などに関して実力評価を正しく行うテストの標準化がされていないのがおかしい訳で、例えば数学検定や漢字能力検定など外部に金を払わせて生徒に受験を促すような流れにあることは非常に残念だと思っています。

また統計調査士や専門統計調査士に関して言えば、最低限このレベルの仕事はできるのだろうという目安になるものとしては期待したいと思いますが、残念ながら統計というのはあくまでも「道具」であって、活躍している実務者は、経済、マーケティング、医療など応用は様々に特化していて、その分野に即した分析手法や統計手法があります。

ある分野では必要でも、ある分野ではあまり必要としない手法だってあるわけで、それを一律の試験という形にして実務に耐える実力があるかを測るというのは、まず無理だと感じています。

実際この二つのカテゴリーでは、検定内容や試験形式という具体的な項目がまだ白紙の状態です。試験は11月20日と宣言してますけど。http://www.toukei-kentei.jp/exam/tyousa.html

恐らく社会人経験などを受験資格の中に盛り込み、試験は面接なども行うような複雑な形態にせざるを得ないのだろうと想像します。いずれにしても拙速でなく、十分に考えた内容でスタートして、うまい検定制度にして頂きたいと願っています。

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