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http://ibukuro.blogspot.com/2010/07/blog-post_12.html
■ 見辛い、見苦しい円グラフを描いた二つの事例に想うこと
先週末に立て続けに醜いグラフのネタが同時に流れてきました。まずはこれらをご覧になってみてください。上がニュース2ちゃんねるで、下は米国Nielsenのブログです(長いURLなので短縮URLにしています)。
http://news020.blog13.fc2.com/blog-entry-2115.html
http://bit.ly/ySlrwC
このグラフの何が問題なのか、どう直したらよいのかを深く考えてみるとよいと思うのですが、皆さんはどのように感じられたでしょうか。
最初のグラフは「警察官の世代別の懲戒処分者数」を円グラフで示したものです。今まで私自身見たこともない、醜い円グラフですね。中心が真中にない円グラフです。よくもこんなグラフを描いたなと感心が怒りに変わるくらいに酷い。
あと、論点は「目立つ“若い世代”の不祥事」なので、グラフとは別にデータの解釈の仕方としても、全くダメです。何故だかわかりますか?世代比較するなら、その世代の警察官がどれくらいいるのかの母数と不祥事を起こした各世代の警察官の数から、各世代の不祥事"率"で比較しない意味がありません。
よくあるトリックですが、絶対値と割合の二つを見せないで、情報操作する一つのやり方です。割合の方のデータはわからないので、何とも言えませんが、論点通りなのかもしれませんし、全く歪曲しているかもしれません。
次のニールセンのパイチャートです。これも初めて見た気がします。6つの国のある質問の答えの3項目のシェアを相対比較するのが目的のようなので、円グラフにするのであれば、6重のドーナツグラフにすべきところ。
普通なら要素棒グラフを6つ並べるのがいいと思います。要素棒グラフにしても6つを並列に比較するのは困難で、隣同志を相対比較できるくらいが精々ではあるのですけど。
このグラフでは、各国が円の60度の角度のエリアを担当し、その中を同心円の長さで3項目のシェアを見せるというのは全くナンセンスです。
円の面積は半径の2乗ですから、回答が2項目でその割合が1:1(50%,50%)でも、円の内側と外側の面積は1:3になりますし、1:2(33%,67%)だと1:8になります。
2次元なのに面積的感覚では3乗つまり立方体で表したものと同じくらいの格差効果がでる、極めてミスリードさせるグラフとなっていることに気がついて欲しいものです。
著名なマスコミや調査会社がこういうことをするのを見るにつけ残念です。私はインフォグラフィックスも嫌いですが、意図しようがしまいが認識を歪曲する可能性のある表現は極力やめてほしいと願っています。
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