http://www.cci.co.jp/ir/press/pdf/tvcm090710.pdf
「株式会社サイバー・コミュニケーションズにおいて、インターネットユーザーを対象にした、インターネットバナー広告とテレビコマーシャルにおける純粋想起の広告効果に関する調査を実施いたしました。
今回の調査において、インターネットユーザーが純粋想起する際の純粋想起単価を算出し、TVCM と比較した際にバナー広告のコスト効率が良いこと、また純粋想起率を向上させるために、バナー広告の出稿量がどの程度必要なのかについて検証することができました。あわせて、TVCMとバナー広告を組み合わせたクロスメディア展開を行うことで、純粋想起された企業名や商品名について、ユーザーの「興味」「理解」「行動」「クチコミ(共有)」のといった全行動段階において、単体での出稿よりも高い評価が得られました。
cci では今回の調査結果も踏まえ、インターネット広告における最適なメディアプランニング等の一層の販売促進と、クロスメディア効果における有効性についての啓蒙を図り、今後も広告市場の活性及び発展に寄与してまいります。」とのことだ。
まずは、このような調査の試みを進めている点に対して、最大の賞賛をさせて頂きたい。こういったベンチマークデータがネットでなさすぎるために健全な業界の発展がいまいちであると認識している。しかしながらその上で、この調査で気になる点が幾つもあるので指摘しておきたい。
・ウェブアンケートの偏りがまず気になる
大抵ネットのヘビーユーザであることが多い。実施協力 :株式会社クロスマーケティングとあるので、ここの130万人のモニターに対する偏りが一つ。
・インターネット利用者についてだけ、テレビとネットを比較して優劣を決めてよいのかという点
テレビの効率はネットユーザだけで測るべきものでないと思うのだが、調査設計上相対比較などが困難なのかもしれないので、これは次に期待したい。非ネットユーザも含め、男女年代別くらいにセグメントして、どの層にはどうアプローチすべきかという基準がないと、いわゆる「使えない平均値」(数字のお遊び)でしかない。行動に移せる調査データ(基準値)を作って欲しい。
・べき分布している指標の平均値を比較する意味の疑問
下記にもリリースからの図を付けておくが、この手の調査は非常に出している広告が中心に認知されるデータになることは、火をみるより明らかである。これはべき分布というのだが、これをみてわかるとおり全体をならした平均値自体の意味についても、個人的には危ないものだと考えている。
・そもそも平均値自体が危ない、相当ぶれるまた「1-2個」「3-4個」などという曖昧な聞き方で1.5個、3.5個と集計しているのか、11以上はどう代表値としておいて計算しているのかなど、突っ込みたいところは山のようにあり、このように平均値の計算はいかようにでも操作可能だ。
精緻にこのリリースのロジックが正しいかを検証した訳ではないが、こんな単純化した計算でいいのか、直感的に疑問を感じた次第である。識者や関係者の意見を伺って勉強したい。
0 件のコメント:
コメントを投稿