2009/05/25

アクセス解析(ウェブサイト)のKPI指標「新規と再訪問者の比率」

Eric T. PetersonのThe Big Book of Key Performance Indicatorsから。

新規と再訪問者の比率(Ratio of New to Returning Visitors)
新規訪問者と再訪問者の%に似ているが、この二つによる比率は、サイトによる新規獲得の様子を効率よく描いてみせる一つの指数である。

定義(Definition)
サイトの新規、再訪問者を正確に捉えることができるという前提で:
新規訪問者数÷再訪問者数=新規と再訪問者の比率

この数字は常に0より大きくなる。数字が小さいと、全体の利用者に対して再訪問者をより多く惹きつけていることになり、この数字が大きいと、新規訪問者が多いということだ。一般的に言えば、この数字が1より小さければ、再訪問者の方が多く、コンテンツ・サイトやメディア・サイトで一般的だ。この数字が1より大きければ、新規訪問者をより獲得している。この数字が1なら一人の新規訪問者に対して一人の再訪問者がいるということだ。

説明(Presentation)
この数字はこの本の中でも少し変わった計算をしているため、この数字が何を意味するのかもう少し説明するのに時間を掛けよう。この比率が何かをひと度よく理解すれば、閾値やアラートを設定するというよいアイデアがある。例えばESPNサイトだとして、この値がいつも0.3から0.4だったとしよう。この値が急に1に上がったとする。この変化は喜ばしいことで、マーケティング・キャンペーンがうまくいっていることを示しているかもしれない。またロイヤルティーの高いユーザーがサイトに来なくなっているという悪い事態が生じているかもしれない。

期待値(Expectation)
この値はサイトによって広く異なるが、一般的に言って:
・コンテンツ:メディアやコンテンツ・サイトは、特に確立された地位にあればこの値が1以下である
・EC:複数の商品を売るECサイトは、この値が2か3以上である
・マーケティング:新規顧客開拓サイトでこの値は非常に高く、10以上もざらである
・サポート:顧客サポートサイトではこの値は1前後である。サポートする商品にも因るが。

これらの値は変わらないものではなく、変化するものである。しかし突然の劇的な変化が、積極的に何かを起こしたならよいが、突然の顧客や訪問者の不満のせいだとまずい。

行動(Action)

この値が突然しかも予想外に変化したら、「新規訪問者と再訪問者の%」のところで話たのと同じ行動をとろう。最近のマーケティングや顧客リテンションのための施策、サイトへの誘導やレイアウトの変更など(さらにもし可能なら訪問者が公開であるいは直接あなたに言ったことが変化していないか)を調査すること。最後のケースでは、著名なブロガーやジャーナリストがあなたのサイトのことをよくあるいは悪く言っていないか、あるいは顧客の不満が最近増えていないか。

0 件のコメント: