2009/03/10

1ヶ月分のログを分析してあげますっていうアクセス解析サービスって意味あるんだろうか

スイマセン、ワザとキャッチーなタイトルにしました。意味が無い訳ではないが、以下気をつけようということ。

この手のサービスを行う業者は、基本的に無償あるいは安価で自分のサービスを理解してもらいたいということなので、それについて否定するものでないのだが、利用者としては気をつけるべき点があるということだ。特に他のツールなどを全く使っていなくて、これが初めてのアクセス解析である場合は要注意。

月次データの見方については、以前にも少し話した記憶があるが、各月にはいろんな季節要因がある、どんなサイト、どんなビジネスでも季節要因はある。例えば、自分の会社、商品で毎月の季節要因を挙げていって欲しい。サイトも当然それにつられる。

1月:年初
2月:28日と最も日数が少なく、うるう年で変化する月(ニッパチとも言われアクティビティが落ちるとも言われる)
3月:年度末
4月:年度初め
5月:ゴールデン・ウィーク
7-8月:夏休み、お盆休み
9月:上期末
10月:下期始まり
12月:年末

一般論だけでもご覧のとおりだ。就職活動のスケジュールは詳しく知らないが、企業サイトであれば、それにかなり依存して変動もあるはず。決算発表の時期しかり。

つまりその月の絶対値だけの指標で何か判断するのは危険が伴うと考えられる。だから金がかかっても、継続して同じ調査をする意味があるわけ。思いついた時に散発的に行う調査(でしかも毎回やり方が変る)というのは、出てきたデータの評価が難しい。だから、継続的に同じツール・手法で、トレンドでデータを見ないと多くの正しい判断が下せないことが多い。

少なくとも13ヶ月データが蓄積されているのが望ましい。これだけあれば、対前年同月比もわかるし、上昇基調か下降基調かという方向性に加え、上昇スピードの勢い、つまり加速度も視覚化できる。

くどくなったが、アクセス解析の例に戻ろう。直帰率が80%だって、トレンドでみたら物凄い改善した月かもしれないのに、単月のデータしか分析せず、せっかく行った改善施策を元に戻して、来月直帰率が90%に悪化ということだって普通に起こりえる。

じゃあ単月データだけの分析が全く使えないのかというと、そうとは言えない。アクセス解析を始めた初期にみつかる大問題はこの方法で分析しても顕在化するので、まずはそれから手を付けるというのがよいだろう。どういうものがあるかといえば、一般的で代表的なものは下記のようなものだろう。

・直帰率が非常に悪いページの改善
・コンバージョンが極めて悪いコンバージョンプロセスのユーザビリティ改善
・全然効き目のないキャンペーンの廃止

向こうの人がよくいう言葉としては、「コンテキスト」を持たない数字は使いにくいということ。今回の場合のコンテキストは「トレンド」ということ。結論を先に話せば良かったが、今回の結論は私がしょっちゅう言っている「トレンドで見よう」ということ。

大昔仕事を始めた時は、コンピュータ系の商品を扱っていたんだが、売れ行きってこんなに季節変動があるのかとビックリしたものだ。しかし実は意外に数字を見る際に忘れ去っている人が多いのではないかと思う。これも「そんなこと知っているよ」の代表的な話だとは思うが、本当に実践できているかは、かなり怪しいのではないかと思っている。

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