2008/04/29

中国が世界1位でも2位でもいいじゃん(誤差はつきもの)

タイトルで誤解を与えないため、「どうでもいい」という意味ではなく、データには誤差があるんだということで「誤差はつきもの」とも付け加えた。

メディアは、目に付くタイトルで読ませようとする傾向がある。
4/25の「中国、米国を追い抜きネットユーザー数で世界1位か?--調査で異なる順位」というタイトルの記事。
http://japan.cnet.com/marketing/story/0,3800080523,20372173,00.htm

日本語版では、原文↓にない、「調査で異なる順位」というメッセージが加わっているのがまず気になった。
http://www.news.com/8301-10784_3-9927733-7.html
CNETは、comScoreの人のコメントでインターネット利用者の定義が違っているようだという分析を受け売りしているだけだが、それだけでない理由がいろいろとある。サンプル調査なんだから当然。これが気になった点の二つ目。

条件が同じ調査でも、標本調査で同じ数字になることはありえない。標本誤差、非標本誤差がある。誤差というと「僅かな差」というようなニュアンスが感じられるかもしれないが、英語では「error」、大きな差も生じる。全部ではないが、例えば、
・標本調査においては、サンプル数の規模による標本誤差
・回収率の低さによる、非標本誤差
・インターネット利用者の質問文における定義(過去1ヶ月で1度でもとか、この1週間でとか) など。

数字が近い場合は、調査によってはどちらが1位になってもおかしくない。まあ「ついに1位に」といった言葉で読ませるのがメディアの特性なので、それについてとやかく言うつもりはない。ただ知らずにやるのはやめて欲しい。知っていて、「敢えて」読ませるためにやって欲しい。影響力が大きいんだから、責任は重い。

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