2008/03/24

総閲覧時間が30分を超えるとセッションが切れるのではない

先日お客様のところで、「セッション」の定義をおさらいして、お客様が正確に理解されていないことを知った。最低2回は用語説明しているとは思うのだが、お客様が100%理解できていないというのは反省しなければならない。

「セッション」は一連の繋がった利用行動を1回の訪問としてまとめるための集計上の便宜的な定義である。別の訪問とみなすための目安(世界標準)は30分ということになっているが、ツールによってはこの30分を可変としている。ページとページの間の閲覧時間の差が30分を超えたら、別の訪問とみなそうという考え方だ。

そもそもの発端は、あるツールで購入ページ通過セッションの集計をしているのだが、購入まですごく時間が掛かっているユーザは、最初にサイトに入ってきた時の流入元とかが取れていないのではないかという疑問だったようだ。つまりセッションは閲覧総時間が30分で切られてしまうという誤解なのだ。

計測サイト内で、A-->B-->C--Dというページ遷移があったとして、それぞれのページ閲覧時間が20分ずつだったと仮定しよう(Dの閲覧時間は計測できないが)。それぞれのページ間の時間間隔は20分なので、セッションは繋がっている(1セッションである)というのが正解なのだが、このかたの定義で言えば、Bの途中でトータル閲覧時間が30分を超えてしまうので、セッションが一旦途切れてしまうという解釈になる。

そうするとDのページが購入ページだとすれば、D通過セッション集計では、サイトの閲覧開始ページであるAや、その参照元である流入原因となるサイトやキーワードなどが掴めないといったことがおきているのではないかという疑問がおきても無理はない。

レポートの最後に主要指標の解説は毎回つけてあるのだが、よく読むと確かに上記のような誤解をさせないような記述にはなっていなかった。誰にでも誤解を生じさせない表現が大事だ。ウェブ解析の始めの1歩である「セッション」ですらそうなのだから、やはりウェブ解析は「難しい」のかもしれない。

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