個人的には非常に興味深く読むことができた。「デザイン」というキーワードが中心に座っているのだが、歴史、文化、産業、技術まで広範囲にわたって話が展開されている。
ある一つのことを深堀するのもいいのだが、このように横に発散的に展開する話も面白かった。一貫しているのは、震災後に書かれたこの本のテーマとしては、まえがきに書いてある次のことに尽きる。それに共感できるのであれば、読んで損はないだろう。
「日本の感受性を、このまま希薄化させるのではなく、むしろ未来において取り戻していくことが、この国の可能性と誇りを保持していく上で有効ではないかと」
<目次>
1:移動---デザインのプラットフォーム
2:シンプルとエンプティ---美意識の系譜
3:家---住の洗練
4:観光---文化の遺伝子
5:未来素材---「こと」のデザインとして
6:成長点---未来社会のデザイン
発行:岩波書店
著者:原研哉
定価:800円+税
約240ページ
関連リンク:
書評ページをまとめた
0 件のコメント:
コメントを投稿