本書は無数の付箋で埋め尽くされたことをまず冒頭に申し上げておこう。これは私向きの本であったが、全ての人に共感を得るかどうかはわからない。
ひとことで言えば、人間が生物として進化した結果、脳に刻み込まれてきた本能が消費活動の様々なところに影響を及ぼしているということが書いてある。
つまり脳科学っぽい実証実験やデータに基づいて、人間や生物の行動原則を紐解き、最終的には消費行動の不思議に結び付けているという流れになっている。
つまり話が根源的、本質的なところまで遡っているとでもいうんでしょうか。だから本質に遡るところに非常に共感を覚えたということ。表層的なテクニック的な話に興味のある人は、小難しくて退屈だと思うので、お薦めしない。
下記の感情の根源的本質と消費との関係なんてのに興味があったら、どうぞ。
・恐怖
・怒り
・嫌悪
・妬み
・快/不快
・感動
・笑い
・飽き
<目次>
第一章:不安なホモサピエンスはモノを買わない
第二章:人間もサルも「得る」よりも「失う」を重く考える
第三章:金持ち父さんは貧乏父さんがとても気になる
第四章:自動車の売り上げと孔雀の羽根との関係
第五章:感情と記憶が長寿ブランドをつくる
第六章:「人間も進化の歴史から逃れられない
発行:日本経済新聞出版社
著者:ルディー和子
定価:850円+税
約230ページ
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