2012/02/13

「情報の呼吸法」を読んだ

筆者が「はじめに」で書いてあるように「何ともつかみどころのない不思議な本」だ。端的に言うと読者層が想像できない。誰向けに書いたのだろうかということ。

おなじく「はじめに」で書いてある次の言葉に彼の狙いは集約されていることは理解できるが。「呼吸するようにさまざまな情報を自らの武器として活用できる....そうした「情報新人類」を増やす一助になれば...」

読者の殆どは、彼のようにアクティブにアウトプットをするメディア化するとは到底思えないのだ。日記ですら3日続かない、ブログだって毎日続けるなんて苦行は余程の奇特な人でないとできない。人間は怠惰だし、そんな暇もないのだ。この本を読んで、明日からブログを始めたりTwitterをガンガン始める人が少しはいるだろうが、恐らく長続きすることはないだろうなと。

既に自分のように毎日のアウトプットが習慣化している人間からみると、そうだよなと頷けることが多かったのは確かだ。津田さんがどういう人なのかは詳しくは知らなかったが、彼の人となりがよく理解できた。昔から根っからのアクティブ発信型だ。こういう人がソーシャルメディアをどうやって活用しているのかというケーススタディになったので、個人的には楽しく読めた。

特に役に立つような話は多くなかったので、付箋は2-3枚しかつかなかったけど、一つだけ面白い表現があったので紹介しておこう。

「個人的にはキュレーターよりも「バーテンダー」の方がしっくりくるなと思っています。情報をセレクトしてそのままパッと差し出すキュレーターよりは、カクテルのように情報を混ぜ合わせてお客さんの前に差し出すのはどちらかというとバーテンダーっぽいな、と。」

これは彼のスタイルとして、バーテンダー型の情報提供を志したいと言っているのだが。

ちなみに紙が全部水色の本で、始めて手に取った時はちょっと驚いたと白状しておこう。

<目次>
第1章:情報は行動を引き起こすためにある
第2章:情報は「人」をチャネルにして絞り込む
第3章:情報は発信しなければ、得るものはない
第4章:ソーシャルキャピタルの時代がやってくる




発行:朝日出版社
著者:津田大介
定価:940円+税
約160ページ

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