2011/12/30

「分析力を駆使する企業」を読んだ

アクセス解析イニシアチブでも、今年のテーマはウェブアナリスト養成や分析をどのように企業に根付かせるかといったものだったので、興味深く読むことができた。分析力を支える五つの要素を、語呂合わせで「DELTA」という覚えやすく表現してくれているのもいい。

個人的には、各種分析業務は経理のように経営分析や定点観測として当たり前に数字を使うということになってほしいと思っている。もちろん経理は会計や税務という法律上で実施しなければならないので、いやでもやらなければならず、単なるコストとして考えられてしまう部分もあるのだが、大きな企業であれば、各種改善活動にも活用することができる。

コストを利益に代えることが重要で、アクセス解析もまさに同じだと思う。やる必然性はないが、やることで企業活動における売り上げや利益の向上が見込めるのであれば、有効に活用すべきだろう。2011/12/20の討論会でも話が出たが、企業でデータ分析を活用しようという人にとっては必読書といえるだろう。

<目次>
第1章:分析力を生かす
第一部:分析力を支える五つの要素 DELTA
第2章:データ
第3章:エンタープライズ
第4章:リーダーシップ
第5章:ターゲット
第6章:アナリスト
第二部:分析力を組織力として維持する三つの秘訣
第7章:分析を業務プロセスに組み込む
第8章:分析文化を根付かせる
第9章:分析環境を継続的に見直す
第10章:分析力開発途上企業が直面する四つの課題
第11章:分析の究極の目的はよい意思決定である



発行:日経BP社
著者:トーマス・ダベンポート、ジェーン・ハリス、ロバート・モリソン
訳者:村井 章子
定価:2,200円+税
約330ページ

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