結論から言うと、個人的には付箋がついたのは1ヶ所だけだった。「業務統計」と「調査統計」は違うものだというくだりだけ。犯罪統計は業務統計であるので気をつけろということ。つまり何を犯罪と定義するかは、業務上での恣意的な括りで決まるものなので、第3者的統計とは違うというものだ。
個人的には、どんな統計だって目的があるので、そんな区分けをしなくても、私の中では統計における「恣意性」なんていうのは初めからあると思っているが、なるほどとは思った。
本書は様々なデータを「相関図」というグラフの種類に絞って、統計データを説明しているユニークな本だ。私は別に何かをこれで特別得たということはないが、いろんなデータに興味がある人は一読の価値はあるだろう。
相関図での落とし穴についてはきちんと書いてある。単なる相関なのか、因果関係なのかが「相関図」では特定できないというのが最大の問題点で、殆どが因果関係で説明してしまいがちであることには注意したい。そういった頭の体操をしたい方にもお薦めだろう。
あとは本書を読んで欲しいが、相関係数、外れ値、回帰線といったような項目が相関図では問題になってくるが、この辺りの話題も豊富な実例を通して、すんなり理解が進むのではないだろうか。
<目次>
第1章:典型的な相関図
第2章:散布図によるグルーピング
第3章:散布図のさまざまな使い方
第4章:バラツキを比較する
第5章:相関度の高くない相関図
第6章:相関を掘り下げる
第7章:男女の相関
第8章:反転する相関
第9章:片相関
第10章:意味のある無相関
第11章:相関からはずれたものに注目する
第12章:時代とともに移り変わる相関
発行:技術評論社
著者:本川 裕
定価:1,580+税
約250ページ
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