http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/NNR.html
Nielsen Online Reporterより転載。転載許諾No.07012007-001
■家政婦のミタが好評だ!
10月からいよいよ各局の秋の新ドラマが続々とスタートを迎え、11月に入った現在、各ドラマともにすでに3話程度放送されている。放送前から、話題となっていた南極大陸や、人気漫画の実写版、妖怪人間ベム、そしてシリーズを通して好評である相棒などのそうそうたるラインナップが広がる中、好評なのが松嶋菜々子主演の家政婦のミタである。タイトルこそ往年の名作「家政婦は見た」のパロディであるようだが、内容はミステリー作品であり、感情がほとんど見られず言われたことは完璧にこなす家政婦・三田灯(みたあかり)がある謎をもった家族の家に派遣される、といった謎が謎をよぶ物語である。そこで、なぜ家政婦のミタが人気なのか、ソーシャルメディア(ツイッター、ブログ、掲示板)の書き込みから探ってみよう。
■家政婦のミタ、書き込み数は南極大陸、妖怪人間ベムの半数以下
図1は8月から10月末までの書き込み数の推移(週単位)のグラフである。今回は比較対象として南極大陸と妖怪人間ベムをピックアップした。
妖怪人間ベムの8月、9月の事前の盛りあがりが特徴的であるが、ドラマが開始された後に注目してみると家政婦のミタでは1,253件と、他の2つのドラマと比較をすると半数以下である。どうやら書き込み数がそのまま視聴率と相関しているとは言えないようだ。
図1:
ではそこには何が書かれているのか?書かれている内容を探ってみることにしよう。
■キャストや主題歌よりも、ドラマの内容が書かれている
8月以降の書き込みの内容をサンプリングし(*)出現キーワードの頻出上位50位を目視でチェックし以下の6つのカテゴリに分類した。ひとつの文章内に複数話題がある場合はそれぞれの話題でカウントし、比較をしやすいようにカテゴリの合計を100%として割合を算出した。
(*):南極大陸、妖怪人間ベムはサンプリング数5,000件、家政婦のミタは5,000件に満たなかったため4,113件全件を対象とした。
図2:
南極大陸ではドラマのキャストに対する話題が特徴的に多く39%であった。それに対し、家政婦のミタではタイトル、ストーリーについての割合が他の2ドラマよりも高いことが見て取れた(視聴率の割合が12%と高いが、これは2,3回目の放送の視聴率が好評であったことについての話題である) 。妖怪人間ベムでは主題歌が13%と高く、原作アニメについての話題がみられたことが特徴的である。
ここから、家政婦のミタはキャストや主題歌、原作アニメのことではなく、タイトルについての言及や、ストーリー、などドラマの「内容」に関する話題が多いことが分かった。
■今後も視聴率を維持し上げることはできるか?
次に、”面白い”といったポジティブな書き込みと、”つまらない”といったようなネガティブの書き込み数の割合を算出してみた。
図3:
家政婦のミタはポジティブの割合が20%と他の2ドラマよりも高くなっていることがわかる。そしてネガティブの割合も高く、これはTVを見て内容を評価していることではないかと思われる結果となった。
では、今後の視聴率はどうなるのか?そこで、「気になる」という書き込みの出現率を算出してみた。 (先が気になる/ストーリーが気になる/今後が気になる、などすべて含む。)
図4:
南極大陸 3.1%、妖怪人間ベム 2.5%、家政婦のミタ 6.7%と、他の2つのドラマよりも2倍以上出現することがわかった。
上記2点から、内容が面白く、先が気になる、とソーシャルメディアに書き続けられるのであれば、今の視聴率を継続、もしくは更に上げることができるのではなかろうか。
今回は簡単な分析で、少し大雑把な予想を行った。もちろん視聴率はソーシャルメディア以外の様々な要因が絡んだ結果である。しかし、何が話題で、なぜそのドラマの人気が高いのか深掘って分析してみると、視聴率との意外な関係性が見つかるのではなかろうか。
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