2011/11/23

「東大式「確率統計」で競馬に勝つ方法」を監修した

タイトルに東大式...みたいなのが付くとは聞いてなかったが、まあそんなもんだろう。そもそも本のタイトルって発行する直前に決まるものだ。KKベストセラーズの「競馬ベスト新書」(そんなカテゴリーがあるのも初めて知ったけど)の中には、「現役東大生 偏差値80の馬券術」なる本もあるようで、「東大」ってバリューがまだあるんだ。

監修の話が来たときは、確率と統計、多変量解析に関する入門書という話だったので、二つ返事でお引き受けした次第だが、何と中身は「競馬」だったという顛末でして。帯にある「小難しい馬券術より数字の仕組みを知るほうが競馬は儲かる!」というのはよくわからんが、まあこの手の本ではとにかく手に取って頂くという戦略が大事だろう。表紙もオレンジと黄色で目立つことこの上ない。

競馬やっている人なら多分自然にやっていることだと思うが、結局常識的な期待値とのギャップが実際のギャンブルではおきるので、その差をうまくとらえるかということに尽きるんだろうけど、馬だけをとっても調子その他いろんな条件があって、多変量解析するといっても、まあ殆ど無理だろうなと想像される。そういう意味で必勝法なんてある訳がないというと身も蓋もないかな。

一番最後の「基本用語解説」は校正を見ていないんだけど、面白かったのは、最後の索引もそうだけど、「ひらがな」が全部ついていたこと。確かに競馬用語ってなんとなくわかるけど、正確な読みがわからないことがありそうで、競馬ならではなのかと関心した。例えば「3連複」ってどう読むのか知っているだろうか。

少なくとも確率や統計をまっとうに学ぼうという人には全くおススメしない。競馬ファンで確率とかって面白そうだなあと思う人がいたら確率や統計の世界を垣間見て頂くという機会にはなるだろう。そういう方はどうぞ。

個人的には競馬と確率みたいな話をどう説明・展開していくのかという構成は監修していて面白かった。最初は前提がおかしいなと感じる部分もあったのだが、最終的にはそのままでいいと判断した部分もある。


<目次>
第1章:確率とは何か?-ギャンブルにおける確率の基礎知識
第2章:期待値と確率とオッズの気になる関係
第3章:知らないと損!競馬データ分析の命は「統計」にあり!
第4章:競馬データの「相関関係」を調べる方法
第5章:予想精度をアップする「多変量解析という技」



発行:KKベストセラーズ
著者:内村正毅
定価:895+税
約200ページ

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