訳者があとがきで書いてあったこと「全ての中小企業経営者に本書を読んでいただきたいと思っています」が全てを物語っている。私は対象読者ではなかったのだ。道理で久しぶりに時間の無駄だったと感じた本だった。
ネットを殆ど活用していない中小企業の人が、サイトをきちんと活用して、コンテンツを地道に作り、プッシュ型でなくプル型の準備をしていきましょうということが平易に書いてある良書だとは思う。しかしネットを1年以上しっかり経験している人には、どこかで聞いた話で、しかも表面的な部分しか書いてないので、殆ど役に立つことはないだろう。そういう方には全くおススメしない。一応平易に、効果検証みたいなことにまできちんと触れてはいるが。
発行社や監訳者の経歴などを見れば、容易に判断できたような気がするが、比較的新しい本なので間違えて買ってしまったようだ。アマゾンのレコメンドに騙されたのか記憶が定かではないが、「インバウンド」をいうキーワードに惹かれたのかもしれない。マーケティングに「インバウンド」を付けるのは面白いとは思ったが。
テレマーケティングなんかやっている人だと馴染みだと思うが、電話セールスをアウトバウンド、電話問合せ受付はインバウンドなどというので、別に違和感なくこの言葉自体は入ってきたのだが、あまり流行していない言葉にも思える。検索してみたら、河野さんの書評があった。多分これをきっかけに買ったのだろう。
http://marketingis.jp/archives/2495
第12章の人材登用の話は確かに河野さんの言う通りで、他では見かけない内容だった。まあこれも河野さんのブログを見れば感のいい人はピンと来るとは思う。彼も書評の最後に書いていた。「だからとくに目新しくはないのですが、基本の再確認という目的で読んでみるといいかもしれません。」ということで、「これから取り組む」の人が読むようにして欲しい。
<目次>
PART1:インバウンド・マーケティングとは何か?
第1章:消費者の消費パターンは一変した
第2章:あなたのウェブサイトはマーケティングのハブになっているか
第3章:あなたは顧客に見合う価値があるか
PART2:未来の顧客に見つけられるための具体策
第4章:突きぬけたコンテンツの作り方
第5章:ブロゴスフィアで顧客から見つけられる方法
第6章:グーグル検索でクリックしてもらう方法
第7章:ソーシャル・メディアで見つけられる方法
PART3:訪問客をリアル顧客にする方法
第8章:訪問客を育て上げろ
第9章:効果的なランディングページの作り方
第10章:顧客育成プログラム
PART4:よりよい意思決定のために
第11章:マーケティング手法を切り替えよ
第12章:インバウンド・マーケティング時代の人材登用法
第13章:PR会社との付き合い方
第14章:ライバル企業の見張り方
第15章:コミットメント、忍耐、さらなる学習
第16章:なぜ、「今」なのか
発行:すばる舎リンケージ
著者:ブライアン・ハリガン、ダーメッシュ・シャア
訳者:前田 健二
定価:2,200+税
約310ページ
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