ネットレイティングスのメルマガNielsen Online REPORTER 2011年10月14日号による。
http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/NNR.html
Nielsen Online Reporterより転載。転載許諾No.07012007-001
突然ですが、皆様はオンライン辞書を利用された経験はおありでしょうか。オンライン辞書は比較的古くからあるサービスで、大手ポータルサイトには国語辞典や英和・和英辞典などの辞書サービスがありますので、ご利用になった経験のある方は多いと思います。私自身も、大学時代には定期試験の直前にオンライン辞書とにらめっこしながら勉強した経験があり、私にとっては少し思い出深いサービスなのです。
さて、このようにオンラインサービスの中では比較的古くから利用されてきたオンライン辞書の中で、今なお、利用者を大きく伸ばしているサイト「Weblio辞書」(http://www.weblio.jp/)をご存知でしょうか。
Weblio辞書は、複数の辞書や用語集を一度に検索し表示する、統合型オンライン辞書サービスです。現在、599の辞書が登録されています。(2011年10月9日時点)国語辞典、英和・和英辞典はもちろん、手話辞典、業界の専門用語の辞書や植物図鑑、中には映画の出演者やストーリーについてのデータベースなど、登録されている辞書は非常に多岐にわたります。
それではここで、Weblio辞書の利用者数の年間の推移をみてみましょう。
2010年8月では351万人だった利用者数は、2011年8月には約53%増加の536万人に達していました。主なオンライン辞書の利用者数と比較しても、Weblio辞書の利用者数が増加傾向にあることが分かります。(図1)
また、Weblio辞書の利用者をドメイン別にみると、英和・和英辞典「ejje.weblio.jp」の利用者の割合が最も増加していました。2011年8月は28%と昨年8月から16ポイント利用者の割合を伸ばしており、利用者数増加のキーであることが分かります。(図2)
図1: http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/13/20111024_01.gif
Source: Nielsen/NetRatings NetView 2010年8月~2011年8月
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図2: http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/13/20111024_02.gif
Source: Nielsen/NetRatings NetView 2010年8月~2011年8月
家庭・職場のPCからのアクセス
次に、利用者の属性についてはどうでしょうか。
Weblio辞書の利用者は男性が64%と、インターネット全体の利用者より7ポイント高く、男性の方が多いようです。(図3)
年代別では、30代から50代の割合が高く、Weblio辞書全体の利用者数の中でも多くを占めていました。一方、10代の利用者はインターネット全体の利用者割合と比較するろ半数の割合となっており、現在は若年層の利用はそれほど多くないようです。(図4)
図3:http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/13/20111024_03.gif
Source: Nielsen/NetRatings NetView 2011年8月
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図4: http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/13/20111024_04.gif
Source: Nielsen/NetRatings NetView 2011年8月
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今度は利用者を職業別に見てみました。商工業者、管理職、専門・技術職、事務・営業・保安職などデスクワークを伴う職業全般で、利用者が多いことがみてとれました。統合型オンライン辞書の特長である高い汎用性と深い専門性が、広く利用者に支持されている要因だと思われます。(図5)
図5: http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/13/20111024_05.gif
Source: Nielsen/NetRatings NetView 2010年8月、2011年8月
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最後に、年代別利用者数について昨年からの増加率をみてみましょう。全年代において利用者数が増加しており、増加率トップ3の10代以下、20代、60代以上でした。これまでオンライン辞書を利用していなかった層の利用が、この1年で特に進んだといえます。(図6)
図6: http://www.netratings.co.jp/email_magazine/2011/10/13/20111024_06.gif
Source: Nielsen/NetRatings NetView 2010年8月、2011年8月
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今回の調査を通じて、Weblio辞書の利用者数増加の要因を探ってみると、職業別利用者の割合から見る高い汎用性と深い専門性が、要因の1つにあると感じました。また、2010年10月にはYahoo!ツールバーに採用されるなど、サイトへの流入経路を増加させていることも大きな要因といえるでしょう。Weblio辞書を実際に利用してみると、599もの辞書がカテゴリ毎にきれいに整理されており、同じ辞書内、または類似の辞書間で、関連ワードなどが容易に検索できるようになっています。
Weblio辞書は多様な情報が整理された「まとめサイト」にも似ており、時代のニーズにマッチしたサービスであるといえるのではないでしょうか。
最後に、私個人として最も注目した点は、60代以上のシニア層の利用者数の増加でした。団塊世代はその学習意欲の高さに注目が集まり、様々な形のシニアスクールや通信教材が出現しました。シニア層の利用者数増加は、そういった世情を反映しているのかもしれません。シニア層がどの様にWeblio辞書を利用しているか、1人のアナリストとして大きく興味をひかれました。いづれにせよ、今後最も重要な利用者層の1つになるであろうシニア層の利用者数増加は、Weblio辞書の媒体価値を更に高めることになるでしょう。
Weblio辞書の利用者数と属性の変化を中心に、今後も注目していきたいと思います。
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