2011/09/26

「実践ソーシャル・メディア・マーケティング 戦略・戦術・効果測定の新法則」を読んだ

本書は2010年4月にWileyから出版された「Social Media Metrics: How to Measure and Optimize Your Marketing Investment (New Rules Social Media Series)」の日本語訳本である。しばらく洋書を読むのが億劫だった時期にあたったためか、原書は読んでいなかったので、日本語版で読ませてもらった。


英語のタイトルを素直に翻訳すると「実践ソーシャル・メディア・マーケティング 戦略・戦術・効果測定の新法則」という日本語のタイトルは違和感があるが、まあよいだろう。計測という視点で貫かれているものの、ソーシャル・メディア・マーケティングについて順序立てて追っていく構成になっているので。


それは目次を見てもらえれば感じてもらえるだろう。ただ、各種測定ツールの紹介オンパレードを期待しているのであれば、そういう方にはお勧めしない。個別のツールについての紹介などは殆どないからだ。実は私もそういうものが結構ある本なのかと思って読み始めたのだがそうではなかった。


もちろん基本的な計測指標は沢山羅列されているし解説もしているが、KPI大全集みたいな構成でもない。あくまでも原則を大雑把に追っていき、自分にあった計測手段と指標を考える上で網羅的に概観している本だ。なので表層的な計測テクニックを期待しているような方にもお勧めしない。


この手の本が翻訳されることは少ないと思っていたのだが、昨今のソーシャル流行りが要因かはわからないが、翻訳本が原書から1年もしないでリリースされたのはよい知らせだ。Jim Sterneと言えば、米アクセス業界で第一人者として知られる一人だ。


彼のそういった原則本はワクワクするようなものでもないが、味がある。第8章には組織への浸透的な話まである。個人的には翻訳で300ページにも満たず、多少物足りなさがなかったというのが正直な感想だが、関係者には必読書となるだろう。


<目次>
序章:まずは基本原則の理解から
第1章:目標を設定する
第2章:ユーザーの注目をひく
第3章:影響力を知る
第4章:感情を汲む、人の気持ちを読む
第5章:行動を促す
第6章:メッセージを聞く
第7章:結果を出す
第8章:社内を発奮させる
第9章:そしてこれから



発行:朝日新聞出版
著者:Jim Sterne
訳者:酒井 泰介
定価:2,200円+税
約270ページ

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