2011/06/09

インターネットラジオの訪問者数がPCサイトで再び上昇 ~radiko.jpの訪問者数が100万人を回復!~

ネットレイティングスのメルマガNielsen Online REPORTER 2011年6月8日号による。
http://www.netratings.co.jp/hot_off/archives/NNR06082011.htm

Nielsen Online Reporterより転載。転載許諾No.07012007-001

2010年3月より開始したradiko(ラジコ)については既にご存知の方も多いと思うが、これは日本のラジオ放送をインターネットで同時にサイマル配信するサービスでIPサイマルラジオ(Internet Protocol simulcast radio)とよばれているサービスである。弊社では、サービス開始後すぐに訪問者数が100万人を超えたことをいち早く紹介してきた。

ラジオの復権なるか!? radiko.jpへのアクセスが100万人超えhttp://www.netratings.co.jp/hot_off/archives/NNR05102010.htm

スタート時には大きな注目と訪問者数を集めたradikoであったが、その後の訪問者数は図1の通りである。
図1 
http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110608_01.JPG

サービス開始直後はおよそ半月ほどで143万人以上集めたが、その後は徐々に訪問者数が減少し、昨年5月には60万人前後まで落ち込んだが8月以降は増加傾向にある。昨年12月には聴取可能エリアを関東は1都6県に、関西は2府4県に拡大し、訪問者数はさらに増加した。

サイト訪問者数の傾向に大きな変化が見られたのは3月である。3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震への対応として、3月13日より聴取可能エリアの制限を解除し日本のどこからでも聴取可能にするという対応を行った。その結果、訪問者数は急激に拡大し3月時点で164万人まで増加した。3月末には全国どこからでも聴取可能の特別対応が終了を迎えたが、引き続き関東局は全国で聴取可能となっており、訪問者数の減少は見られず、更に4月には札幌、福岡などのエリアで新たに聴取可能となったことにより訪問者数は増加し、179万人となった。

この2期間の訪問者属性をみると、性別では女性の比率が16ポイント上昇している。年齢別にみると、30代の訪問者数が減少し、40代、50代の訪問者数が増加している。
図2 
http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110608_02.JPG

次にオンライン上の口コミの状況を見ていく。実際にradikoを利用している口コミを対象にするために、以下のルールで抽出を行った。

1.ニュース記事の転載などを除くために、行動(使う、使った、聞く、
  聞いたなど)と一緒に書かれている口コミを対象とする。

2.Twitterにおいては、震災時単なるリツイート(RT)が増加していたため、
  より積極的なツイートを収集することを目的としてRTは対象外とする。


以下が、上記条件の中で集計されたradikoに関する口コミの週ごとのボリュームのトレンドである。
図3 
http://www.netratings.co.jp/hot_off/20110608_03.JPG

震災時に利用者の声がピークを迎えている。また、震災を境にしてトレンドに違いがみられ、震災後はより高い水準で安定している。震災をきっかけに多くの人に利用されていることが分かる。実際の口コミでは、震災直後に「今日はPCでTOKYO FMの番組を聴き、ニュースの合間に音楽のリクエストがあった。久しぶりに音楽を聴いた」というラジオに癒されたという感想が見受けられた。その後も「全国のラジオが聴けるようになったので初めて大阪FMのラジオを聞いた」などの新しい体験をしたという口コミ、「radikoでオールナイトニッポンを聞いている。」などの口コミが見うけられる。

震災を転機に、インターネットラジオのメリットを再認識した人たちも少なくないだろう。スマートフォンが広く普及し始めている。さらにインターネットでのラジオ配信については、6月2日にはNHKが自社でIPサイマルラジオのサービスをはじめることを発表した。これらの要因が相互に作用し、インターネットによるラジオ放送が我々の生活に浸透していくかどうか今後も注視していきたい。

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