ネットレイティングスのメルマガNielsen Online REPORTER 2011年4月6日号による。
http://www.netratings.co.jp/hot_off/reporter_archive.html
Nielsen Online Reporterより転載。転載許諾No.07012007-001
弊社では先日のプレスリリースで、東北地方太平洋沖地震が発生した週に、首都圏のライフライン関連サイトの訪問者が大幅に増加したことをお伝えしたが(http://csp.netratings.co.jp/nnr/PDF/Newsrelease03292011_J.pdf)地震発生翌週3/14(月)-3/20(日)のインターネット視聴率データにおいても、また別の特徴的な動きがみられたので紹介していきたい。
-------------------対前週比増加率上位サイト(増加率順)------------------
サイト 訪問者数(万人) 増加率(%)
岩手日報 Web news 39 544%
ガソリン価格比較サイト gogo.gs 99 509%
ストップ浜岡原発 26 440%
日本赤十字社 119 401%
prayforjapan.jp 81 400%
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Source:Nielsen/NetRatings NetView 2011年3月 家庭と職場のPCからのアクセス
上記データは地震が発生した週からその翌週にかけて訪問者数の増加率が高かったサイトである。
岩手日報 Web newsは、岩手県内の報道を中心に扱う新聞社のサイトである。最も多く訪問されたページはニュース記事ではなく、避難所リストのページであった。このページは岩手県内のどこが避難所で、そこに誰が居るのかをまとめたページであり、地震や津波で行方不明になった人を探す場の一つとして利用されていることがわかる。
ガソリン価格比較サイト gogo.gsは地域別で一番安いガソリンスタンドを検索できるサイトである。訪問者が急増したコンテンツは『災害時ガソリンスタンド情報』というページであった。このページは各地域のガソリンスタンドの営業時間、販売量、販売方法などの営業状況について確認できるページである。情報はgogo.gsのサイト登録者から口コミで寄せられている。地震の影響で、東北・関東を中心に広い地域でガソリンスタンドが通常時と異なる営業となっていたため、リアルタイムで営業状況を把握できる当サイトが活用されていたようだ。
ストップ浜岡原発は静岡にある浜岡原子力発電所についてのサイトであるが、原発放射能の基礎知識やメルトダウンについての解説ページに訪問者が集中していた。時期的に福島第一原発の事故についての連日報道や静岡県東部を中心とする地震があった時で、原発についての関心が高まったことが増加要因のひとつとして挙げられる。
日本赤十字社で最も訪問者が多かったページは義援金の手続きサイトであった。流入元はGoogle検索やYahoo!検索といった検索エンジンからの流入が目立った。
prayforjapan.jpは、TwitterやFacebook、iPhoneの写真共有アプリInstagramなどのソーシャルネットワーキングサービスで「#prayforjapan」というタグをつけた「応援のメッセージ」を集約しているサイトである。実際にサイトを見てみると、世界各地(日本含む)からのつぶやきや写真で日本を応援するメッセージが掲載されており、その応援に応えるメッセージも見受けられる。
prayforjapan.jpによると、このサイトは栃木県の避難所にいた20歳の学生によって作られ、現在はFacebookやTwitterで集まった有志により、運営がされているとのこと。一個人が始めたことが多くの人の賛同を得て、大きなうねりとなる。このスピードの速さにソーシャルネットワークならではのダイナミズムを感じる。
今回私が前週比較データを見て一番心を動かされたのは、このprayforjapanというサイトである。世界のどこかの人が、日本を心配して応援メッセージを送る、しかもその数が非常に多いということ。心配してメッセージを寄せてくれるという行為になにより意志を感じ励まされた。インターネットを使った応援の仕方にはこういう使い方もあるということを身をもって知ることができた。
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