http://www.amazon.co.jp/dp/4844328093
何故こういう本が今までなかったのかが不思議なくらいだ。ウェブサイトの最適化には、ウェブマーケティング、最低限のテクニカルの知識、リサーチ(データ)リテラシー(ある方によれば、これはマーケティングの一つのパーツだというのだが、私はこれ単独で独立させたい)が必要と思っているが、特にテクニカルな部分は敬遠されがちだ。
SEOというと、どうしても表層的なテクニックの話になりがちだが、結局どのように実現するかというところでは、システム的にも解決しなければならないことが多い。マーケターにもサイト管理者にも知っておいてほしい、基礎的な技術(プログラムを書くといった難しいものではない)が本書では整理されていると思う。
本書を読んで確信したことは、アクセス解析しやすい構造のサイトはSEOにもよいということ。結局人にも優しいサイトは検索エンジンにも優しいということなのだろう。私自身、アクセス解析初心者に何度も繰り返して説明する話(同じページにいろんなURLで表現して、アクセス解析をしにくくしているとか、間違ったダミーパラメータの使い方の話、リダイレクト手法など)に対して、本書は系統立てて書かれているので素晴らしい。本当の初心者には少し難しいかもしれないが、ウェブマーケターであればこの程度の知識は必須と思う。
私自身、あやふやな部分が一部あったので、このようにまとめられていると、きちんとしたリファレンスとして確信をもって話しができるので、助かる。
1章:SEOと検索エンジン
2章:検索エンジンの技術的な仕組み
3章:SEOサイクルとクローラビリティー
4章:キーワード
5章;アンサー度
6章:HTMLの最適化
7章:アクセスログとインデックス状況の分析
8章:アクセス解析の導入
9章:検索エンジンスパム
10章:検索エンジンの制御
11章:データベースモデリング
12章:サイト移行
13章:モバイルSEO
僕自身もいまアクセス解析本を書いているんだが、リサーチスキル部分とテクニカルな部分はまだまだ既存の良書でもカバーできているとはとても思えないというのが、今更アクセス解析本を自分で書こうとしている動機だ。目先のテクニックも必要なのだが、ベースの基礎的な技術やリテラシーの理解というのはもっと大事だと思っている。砂上の楼閣、机上の空論でないためには、そういう本も必要だろう。この本もタイトル的にはあまり売れなさそうな本だが、着実に売れ続ける本の一つになるのではないか。
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