2009/10/18

マーケティング・コミュニケーションの効果を測定しにくい4つの理由

ドン・シュルツの統合マーケティングから。

1.コミュニケーションの「ブラック・ボックス」
人づてに伝わるメッセージの内容は、誤ったものになる場合が多い。これはコミュニケーション効果の大部分が、メッセージを受け取った人の頭の中で作られるためである。そのため受け取ったメッセージが自分の「態度」に与えた影響を説明したり、「行動」に与えた影響の説明が難しい。

そのため従来の手法では、測定しやすい要素ばかりを扱うことが多かった。「伝達したもの」に焦点をあてており、送り出したメッセージ自体が測定の対象になったのだ。メッセージの影響を測定するのではなく、「伝達の成果」には着目していなかったのだ。統合マーケティングではこの状況を逆転させる。「伝達の成果」に注目するのだ。

2.時期とタイミング
顧客や見込み客に伝達されるメッセージの全てが即座に反応を得られるわけではない。だから統合マーケティングでは、コミュニケーションの種類をメッセージとインセンティブに分ける。メッセージが長期にわたって効果を発揮するのに対して、インセンティブの効果は総じてすぐに表れる。統合マーケティングのゴールは、マーケティング・コミュニケーションを、顧客や見込み客にとって適切な時期に適切な内容で提供することにある。

3.メッセージとインセンティブの伝達源
顧客や見込み客は、テレビCMからパッケージ、口コミといった豊富な種類の情報源の組み合わせから、多彩なコマーシャル・メッセージを受け取る。メッセージとインセンティブの伝達源をを解きほぐすことは、マーケティング・コミュニケーションの影響を測定する上で重要な課題である。

4.干渉変数による妨害
ある見込み客が、新聞広告またはテレビCMの影響を受けてから、ある商品を買い求めたいとおもうようになったと仮定しよう。商品を購入するためには、まず地元でのディーラーや販売業者を選んでからその店舗に出かけるに違いない。しかし実際の行動では、
・駐車場を見つかれず、別の店で別の商品を購入
・望んでいたモデルの在庫が切れていて購入できず
・店にあったが、想定していた価格より高く、ライバル製品を買う
・店に合ったが、対応した店員の説明が悪く製品を買わなかった
これらの環境変数を克服する手段を模索する必要がある。

で、結局どう考えるかというと、ブランド・メッセージとブランド・インセンティブについて、それぞれ短期と長期で考えようよということ。理論としては綺麗だ。

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