2009/05/22

価格.comにおける価格順位とクリック確率の関係

2008/9の経済産業研究所の論文から。

図2は、店舗A、Bが最安値と2番目の安値を提示している時、横軸に2店舗の価格差、縦軸に店舗Aがクリックされる確率をとっています。これを見ると、店舗AがBよりも安い時には、当然Aがクリックされる確率は高いのですが、すべてのクリックを独り占めにしているわけではありません。また逆に、店舗AがBよりも高くなったからといって、Bにすべての客を取られるわけでもありません。

これは、消費者が店に対して「好き」や「嫌い」といった好みを持っているからだと考えられます。消費者は知らない店に対しては、きちんと配達してくれるのか、商品保証を付けてくれるのかといった不安を抱きます。そういう店が仮に安い価格を提示していても、選択の対象から外してしまいます。消費者は割高でも「ひいき」の店の中から購入先を選ぶ傾向があると言えます。

より詳しくみると、高めの価格を提示している店舗(価格順位の低い店舗)は、より「ひいき」の客を獲得している様子がうかがえます。図3がそれです。価格順位が上位で安値を提示している店舗群(図3の左上に位置)は、価格(順位)が下がるのに応じて、選択される確率が急角度で落ちる傾向がありますが、高めの価格を提示している下位の店舗(同・右下寄りの店舗)を見ると、順位が下がっても上位ほどには選択確率が低下しません。

下位に位置する店舗の共通項のひとつは、大企業の関連会社など規模がある程度大きく、知名度が高い企業が多いということです。逆に、上位店舗は概して小規模経営で、仕入れた在庫を長期間抱える体力がなく、早く売りさばいて収益を稼ぐタイプの店舗です。




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