オプトの海老根さんが、2008年12月に「Webマーケティングコンサルタント養成講座」なる本を出していたようだ。内容を読んだ訳ではないのだが、アマゾンの内容(「BOOK」データベースより)から、本投稿のタイトルをお借りした(ということで、話のきっかけにしただけで本書を批判するという意図はない。そもそも読んでませんから)。
マーケティング知識+IT知識だけだと、もの足りないなあという印象を持ってしまう。本書には触れられているのかもしれないが、データを如何に使いこなし、ビジネスの改善に繋げるかが、これからのウェブ・マーケティングで最も肝になってくるのではないか。
昔にも何度か書いてきたように思うが、マーケ、IT、調査の3つの知識と経験が必要と考える。ここでいう調査とは調査リテラシーのこと。どういうデータを収集し、どう集計したら、どういうところに気をつけてデータを見て判断しなければならないかということだ。アクセス解析で言えば、いわゆる3手法があり、その長所短所を知ることは当然だが、さらに各指標の正確な意味を知っていないと判断を誤る、といった基本的なデータや数字の扱い方の能力。
知識だけではなく経験が大事なのは、次のような理由からだ。うわべだけ知っているだけで、使いこなしと、さらに失敗した経験がないと、「ああこの人、聞きかじっただけの知識で話している」とわかる。身に染み付いている人には当たり前にやっていることも、実はいろいろな失敗や経験の伝授によってもたらされてきた。自分もそうだったから、ああこの人、俺も間違ったあそこで躓いているなどということがよくわかる。知識というと、分かっている積りの知識にとどまる恐れがあるが、経験となれば、それを使いこなす/身に染み付いているという意味を持たせることになるので、敢えて加えた。
具体例をいくつかあげると、以前にも書いたが、アクセス解析で偏差値なんか使わないし、平均値も気をつけなければいけない。A/Bテストで「検定」を行う場合に、「推定」を使ってはいけない。意味もなく回帰線を引いて、回帰式を作ってもダメ。競合分析で気軽にAlexa使う提案をしてはいけない。などなど結局最後の重要な砦は、よい判断を下すということで、これがないとよい施策も価値がなくなる。
自分は逆にITは強くはないが、JavaScriptやActionScriptも勉強する。まだまだ足りないだろうからこちらは精進した上で、上記の失敗例や本当によい分析例など今後本ブログでもっと具体的な事例を取り上げていきたいと考えている。海外のデータ例も、単なる紹介だけでなく、彼らの分析視点をもっと解説、批評、賞賛していきたい。
3 件のコメント:
A/Bテストで「検定」を行う場合に、「推定」を使ってはいけない。
これについての記事を教えていただけないでしょうか
衣袋です。誤解を与える書き方をして申し訳ありません。「以前にも書いたが...」のくだりは、その後のパラグラフ全部の例を指しているわけではありません。書いてないものもあります。
ご質問のA/Bテストの件は、他のブログで混同されていらっしゃるように思われるものがあったので、こちらでもいづれその話をしたいと思っております。
衣袋さん
こんにちは。dIG iTのあんけいです。
Webのマーケティングを行っていくにあたってはかなり色々気を付けるところがあり、まさに日々勉強だと思ってます。
まさに自分は統計部分が弱いので、そこが勉強どころです。
#A/Bテストの件、コメントありがとうございました。少し勉強をして、再度エントリーアップしてみようと思います。
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