2009/03/20

アクセス解析(ウェブサイト)のKPI指標「長い・中くらい・短い滞在時間のセッション割合」

Eric T. PetersonのThe Big Book of Key Performance Indicatorsから。
長い・中くらい・短い滞在時間のセッション割合(Percentage of High, Medium and Low Time Spent Visits (Interest Categories))
サイトにどれだけ滞在したかの平均時間で訪問者をカテゴライズすることは、異なった興味をもつセグメントの行動を理解するのに役に立つ。

定義(Definition)
この指標は他のものより少し複雑だ。なぜならこの指標はツールがデータをきめ細かく提供してくれるかどうかにかかっているからだ全セッションあるいは全訪問者の“平均滞在時間”しか提供しないツールを使っていたら、あなたは不運だといえる。しかしセッションあるいは訪問者当たりのサイト滞在時間の分布を提供するツールを使っていれば、大丈夫だ

分布を示すデータを持っていると仮定し、あなたがやるべきことは、サイトの滞在時間が長い・中くらい・短いをどう定義するかを決めることだ。多くのサイトでは、「短い」は30秒より短い滞在時間で、「中くらい」は30秒から5分、「長い」は5分を超える場合だ。これらの時間を使うなら、計算式は以下のようになる:
サイト滞在時間が30秒より短いセッション数÷全体のセッション数=短い滞在時間のセッション割合
サイト滞在時間が30秒から5分のセッション数÷全体のセッション数=中くらいの滞在時間のセッション割合
サイト滞在時間が5分より長いセッション数÷全体のセッション数=長い滞在時間のセッション割合

使っているツールが訪問者一人当たりのデータしか提供していなければ、KPIの名前を少し変えるだけでよい。多くのツールでは個々の訪問者がサイトに戻って、引き続いた訪問時に長くあるいは短く滞在するといった、セッション当たりの滞在時間を提供する。

説明(Presentation)
このKPIで強調すべき最も重要なことは、時間分けのカテゴリー定義だ。利用者がわかるように、「(30秒未満と)短い滞在時間のセッション割合」などという指標名にし、時間を明確にするのが最も相応しい。

他の利用者はこれらの指標を、例えば「関心の低い訪問」などと、もっと広く関心度の指標として扱うこともあろう。どのようにこのKPIを定義したか明らかであれば、ユーザーにとって最も心地よい指標の名前にすべきだ。

期待値(Expectation)
いくつかの割合を基準にしたKPIは比較的影響を受けやすいが、関心の高いグループは影響が少ない。一般的に、探しているものが見つからずに出て行ってしまう人たちである、滞在時間の短いセッションは少なくしたいと期待する。より関係性の高い情報や商品を提供していれば、サイトに長く滞在することになる。顧客サポートサイトは典型的には、中くらいの滞在時間のセッションの割合が高くなるが、望むらくは、訪問者が素早く彼らの問題に対する解決策を見つけてもらうことだ。しかしあまりもすぐにではなく、電話番号を探せるくらいは必要だ。

行動(Action)
サイトでの滞在時間を増やすための最も一般的な戦略は、全般的なサイトのユーザビリティを改善し、よりよいターゲットユーザを獲得プロセス中に導くこと。比較的滞在時間の短いセッション割合が高い場合(例えば50%以上)は、訪問者のターゲティングがうまくできていないか、彼らが探しているものをあなたが理解できていないために、すぐに逃げられてしまうのだ。これらのケースでは、あなたのマーケティング戦略を再評価し、もっと質の高い訪問者にリーチする方法を探し、入口ページ上位を調査して、それらのページがサイト訪問者に対して一貫したマーケティング・メッセージを発しているかコンテンツを確認しよう。

よいターゲティングがされていると信じられるなら、あるいはもっとよい顧客獲得方法がないなら、サイトの情報構造やユーザビリティを考え、自分のサイトが使いやすいかを自問しよう。訪問者がナビゲーションを理解できなかったり、探している情報がどこにあるのか見つけられなかったりすれば、サイトを出て行ってしまう。このケースでは、サイト内検索のデータを調べてみるのがよいアイデアだ。普通検索される言葉を調べることで、サイトのナビゲーション構造では分からなかった訪問者の関心がわかる。


長い・中くらい・短い滞在時間のカテゴリーを慎重に作ったとしても、これらの指標は利用者の割合の急激で思いもかけない変化をすることがわかるだろう。

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