2007/10/03

4象限グラフの罠

「アクセス解析では偏差値は使わない方がよい」に続いて、Web担当者Forumに掲載された株式会社CreatorsNetの菅原 裕さんのこの記事でもう一つ。

繰り返すが、「データを入力するだけで簡単にアクセス解析レポートを作れる、エクセルのフォーマットをダウンロードできる形で用意した。自分なりにアレンジしてぜひ活用してもらいたい。このツールを使えば、アクセス解析ツールだけでは直接読み取れない、別の視点からウェブサイトを解析できる。」というものだが、確かにアレンジが必要で、リサーチ・リテラシーを要求できない一般の方には危険が一杯である。

こちらも繰り返すが、勿論菅原さんは存じ上げているし、実践を積まれている方だ。ご本人は重々承知の上で、サンプルも教科書的にうまく仕上げていらっしゃるのだと理解した上で、使い道には気をつけようという主旨。

記事の中の一つに「散布図を使って困ったページを見つける」というものがある。記事なのでグラフはそのまま引用しないでおく(是非ご覧あれ)が、コンサル手法でよく使われるXYグラフを4象限に分けて、この象限を改善しましょうといった手法。アクセス解析の様々な書籍でも紹介されているのものだ。しかしこの例もそうだが、実践はそう簡単ではないよという話と、縦軸はもっと適切な指標を使った方がよいという提案だ。

記事の中で紹介されていた例のグラフはほどよくばらついており、この象限の改善をする必要があるという「やる気」になるグラフなのだが、私が使った実例をまずご覧頂きたい。ページビュー数分布が偏るという話を以前したが、入口ページというのも非常に偏っているというのが普通のサイトだ。一番上のグラフが私の例のデータを入力して彼が作成したテンプレートのグラフをそのまま利用したものだ。

このまま使うと殆んどが、二つの象限に集中して途方に暮れてしまう。しかしこれは単純に横軸を対数目盛にしてしまうことで、ある程度改善する。2番目のグラフをご覧頂きたい。随分とわかり易くなった。見栄えの問題はさておき、実は本質的な問題はここからである。

最後のグラフが同じ例で私が作ったグラフである。直帰率と入口回数だけから作り、彼のテンプレートよりシンプルに作ってある。さてどこに本質的な問題があるかわかるだろうか。
そう、直帰率は絶対値が問題であって、順番が問題ではないのだ。直帰率が全部90-100%の範囲にあれば、全てが改善対象となるが、順位では90%でも最良と判定されてしまうリスクがあるのだ。このグラフでは、直帰率が非常に高いものが一目瞭然で、しかも数は絞られていることがおわかりだろう。
個人的にこの記事が「[特集]アクセス解析 “超” 基礎講座」となっているのが気になる。狙いは重々分かるが、実はグラフも数字も一人歩きするので、初心者ほどきちんと使い方を説明してあげないと危ないのだ。繰り返すが危険が一杯なのだ。

なお彼の作ったテンプレートに手を加えたので、私が改造したエクセルのファイルは当然公開しない。













































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